Sony α9がついに発表!サイレントシャッター時代の幕開けか
カメラ界隈にとって大きな変革の日です。Sonyの全く新しいフルサイズ一眼ミラーレスカメラ「Sony α9」が発表されました。
Sonyはこれまでにもフルサイズ一眼レフとしてSony α7シリーズを発売してきましたが、今回は新たに動きの速い被写体に対応できるシリーズとして、α9がラインナップしました。
大まかにラインナップを見てくと、次のようになります。
Sony α7
フルサイズのミラーレス一眼カメラ。
Sony α7R
α7と比較すると、より画素数を多くしたモデルであり、キメの細かい写真が撮れる。
Sony α7S
α7と比較すると、暗所の撮影に特化したモデルで、暗い場所でもノイズの少ない綺麗な写真が撮れる。
Sony α9 ←今回の発表
α7と比較すると、動体の撮影に特化したモデルで、動きの速い被写体に追従したり多くの連写が可能になる。
ちなみに私は現在、Nikon D7200とミラーレス一眼のSony α7RIIを使っています。
α7ユーザー以外の方にとっても、Sony α9のニュースはかなり興奮した内容となったのではないでしょうか?
Sony α9って何が凄いの?
Sony α9は動体を捉えるための機能性が、従来の一眼レフカメラの性能を上回るようなスペックを叩き出しているのが特徴です。
まずはyoutubeを見てみました。毎度ながら、Sonyの動画は分かりやすくて、思わず触手が伸びそうになります(笑)
(引用元:Youtube Sony | Camera Channelより)
従来のα7シリーズで不利と言われていた機能が大幅に向上され、一眼レフカメラをいよいよ置き換えるのではないか?と感じる性能に仕上がっているようです。
Sony α9の特徴は次の通りです。個人的に気になったものから順番にまとめてみたいと思います。内容はデジカメinfoさんより一部引用します。
フルサイズの積層24.2MP CMOSセンサー
カメラの心臓部と言えるセンサーが新しくなりました。
積層型センサーと聞くと、精細な写りに定評のあるSIGMAのFOVEON RGB積層センサーを真っ先にイメージしてしまいますが、α9の積層イメージセンサーはこれとは全く別物です。
高速で情報を読み出す回路(DRAM層)が間に入っているという意味合いの「積層型」。つまりベイヤーセンサーです。ただし、DRAMによって高速連写やサイレントシャッターなど、これから下記で挙げる特徴的な機能が使えます。
電子シャッター(サイレントシャッター)で1/32000秒まで撮影可能
Sony α9の目玉となる機能です。従来のカメラで主流であった機械式のシャッターとは違う、高速に対応した電子シャッターが搭載されました。これにより、シャッターを切った時の機械音が出ません。その他、電子シャッターによって、後述の項目のようなメリットが生まれます。
ただし、心配なのがローリングシャッター現象(ローリング歪み)と呼ばれる、電子シャッター特有の歪みについてです。α7RIIでは1/12秒よりも速い動きをするものは歪が目立ちます。Sony α9は従来の20倍に向上したということですので、1/250秒よりも速い被写体は歪む可能性も考えられます(※)。
1/250秒というと、子供の遊んでる姿などは被写体ブレすることなく、ギリギリ捉えられそうなシャッタースピードですが、スポーツや競技では使えるのか気になる所ですね。この件については今後のレビューで特に注目していきたい内容です。
(※2017年5月追記)誤解を生む曖昧な内容がありましたので追記します。上記の「1/250秒よりも速い被写体」というのは、動きの速い被写体をブレる事なく撮影する必要があるシーンの事です。一例を挙げると走行中の電車をブレる事なく撮影するケースです。また、ローリング歪みについて不安を煽ってしまい申し訳ありません。私も知らなかったのですが、従来の機械式シャッターでも「フォーカルプレーン歪み」というものが存在するそうで、α9は従来の機械式シャッターを持つカメラと同程度の歪みに抑えられているとすれば、問題にはならないかもしれませんね。これについては非常に繊細な内容となりますので、私自身も今後の使用レビューを参考にしていきたいと思います^^
ブラックアウトフリーの20コマ/秒の連写(RAW241枚/JPEG362枚)
連続で200枚以上の撮影を続ける事ができます。また、通常であればシャッターを切ると、一時的に真っ暗(=ブラックアウト)となるのですが、α9では電子シャッターをメインで使うため、撮影中にブラックアウトしません。
オートフォーカスは、60回/秒のAF/AEトラッキング演算
オートフォーカスの食いつきが向上します。また電子シャッターによる恩恵によって、連写中の追従性も向上します。従来の機械シャッターでは、ブラックアウト時に動き物を追従(トラッキング)するのを中断してしまうのですが、α9ではブラックアウトすることなく短い間隔で追従を続けてくれるようです。
オートフォーカスは、693点像面位相差AF。画面の93%をカバー
オートフォーカス(AF)の有効となる点やAFが使える範囲が増えました。特にAFポイントはあまりに精細なので、AFポイントという概念すら無くなりそうな勢いです。
AFポイントが細かくなり、AFポイントの移動操作が難しくなる訳ですが、これは本体のジョイスティックやタッチパネルが補ってくれるようです。
デュアルSDカードスロット(UHS-II)
SDカードの差し口が1つ増えました。
新型のバッテリーに対応
α7の弱点と言われ続けていた、バッテリーの持ちの悪さが改善しました。新型バッテリーにより、従来比の2倍の容量となるそうです。しかし、2倍に改善と言っても一眼レフよりはバッテリーライフが少ないと予想されます。
ファイル転送用のイーサーネットポート
PCに繋げるような、LANケーブルの差し口がα9に搭載されました。撮影しながらPCに高速伝送したりできるようです。スタジオ撮影やその他の特殊な撮影ケースで重宝しそうです。
電子ビューファインダー(EVF)の輝度がα7RII比で2倍に向上。
電子ファインダーは内部が液晶となっているため、日中の太陽下でファインダーを除くと暗いと感じる事がしばしばあります。α9では更に見やすさが向上しました。
電子ビューファインダー(EVF)は368.6万ドットのQuad-VGA有機EL
従来のα7シリーズよりも更に精細なファインダーとなっています。
AFの追従性はどうなのか?
下記の4K動画撮影例を見る限りだと、オートフォーカスが速そうに見えます。
(引用元:Youtube Sony | Camera Channelより)
特にFE 70-200mm F2.8 GM OSSの使用時(0:55以降)が参考になるのですが、奥から手前に動いているスキーヤーでも難なく追従しています。スポーツ撮影用を想定しているだけあって、やはりα7シリーズとは全く別物に仕上がっている印象ですね。
ただし、α7RII比で20%向上したと言われていますので、一眼レフに比べるとそれほど快適なオートフォーカスになったとは言えず、物足りなさを感じてしまう可能性もあるかもしれません(これはあくまで発売前の予想になります)。
また、従来のα7シリーズでは、暗所の撮影でAFが迷いやすくなったり、前後に動く被写体の補足に苦手な傾向がありますので、この辺りも実際の使用レビューで確認していきたい所です。
Sony α9はどのような場面で活躍するのか?
ということで、今回はSony α9のスペックで気になったところをまとめてみました。
一番気になるのは、Sony α9が従来の動体に特化したカメラを置き換えるのか?だと思います。個人的には堅牢性やローリングシャッター現象などの、気になる点があります。今後どのようなシーンでα9が利用されるのか注目してきたいです。
しかしながら、Sony α9が発表され、ミラーレスが主流になる動きは確実になってきましたね。今後の動向が気になるところです^^
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