Lightroomの便利な無料プラグインの話です。

今回はLightroomの調整をMIDIコントローラーのツマミやスライダーで直感的に操作できるnanoKONTROLとMIDI2LRの使い方について、解説していきたいと思います。この2つを利用すると、ライトルームをアナログ感覚でストレス無く操ることができます。

Lightroomをツマミでグリグリしたい方は導入を検討されてみてはいかがでしょうか?

 Lightroom meets KORG nanoKONTROL  photo by tea ©

当記事では詳細な解説を行っていきたいと思います。もしMIDI2LRの大まかな使い方を把握されたい場合は以下をご覧ください。

自身のブログ
MIDI2LRの使い方をざっくり解説。Lightroomでコントローラーを導入する方法

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目次

nanoKONTROL x MIDI2LRとは?

nanoKONTROLは、電子楽器に使われる「MIDIコントローラー」(略してMIDIコン)と呼ばれるタイプの機材です。MIDI2LRは、MIDIコントローラーとLightroomの各種操作を連動させてくれる無料のソフトです。

では、nanoKONTROLとMIDI2LRを使うと、どのような操作ができるのでしょうか?まずは下の動画をご覧ください。

(引用元:youtube | MIDI2LR)

見慣れたLightroomの画像編集や調整を、nanoKONTROLのスライダーで操作しているのがご覧頂くと分かるかと思います。

MIDIコントローラーとは

先ほどの解説動画に使われている機材はnanoKONTROL(ナノコントロール)と呼ばれるものです。

元々音楽トラック制作や照明演出に愛用されている機材で、Lightroomの専用コントローラーという訳ではありません。

ですが、MIDI(ミディ)コントローラーと呼ばれるこのタイプの音楽機材は、ツマミやスライダーの操作を、アプリ操作の好きな箇所に割り当てる事ができるのが特徴なんです。

巷で見られる一般的な使い方はこんな感じです。

(引用元:Soundrope)

今ではスマホの音楽アプリを使って手軽に音楽が作れる時代になりました。

ですが、ここで困るのが操作性です。タッチパネルの機能性が高いとは言っても、全ての操作を画面上で行うのは感覚的ではありません。そこで、今でも愛用されているのがMIDIコントローラーです。

…と、音楽制作では、度々話題になるMIDIコントロールなのですが、LightroomやPhotoshop、Illustratorなどの写真・グラフィック分野ではあまり話題になりません。

そこで、今回はLightroomのMIDIコントロールについて詳しく掘り下げてみたいと思います。

 Lightroom meets KORG nanoKONTROL  photo by tea ©

話が脇道に逸れましたが、ここからが使い方に関する本題です。

必要なもの

まずはLightroomをMIDIコントロールするために必要なものを揃えましょう。以下のようなものが必要になります。

  1. Adobe Lightroom (バージョンは6以降、またはCCが必要)
  2. MIDIコントローラー機材の入手
  3. MIDI2LRの入手

Lightroomをお持ちでない方は、下記から入手しておきましょう。

また、Lightroomを使い始めたばかりの方には、下記の書籍を読みながら覚えていくと、基礎的な事がマスターできるかと思います^^

それではまず、MIDIコントローラーについて見ていきたいと思います。

オススメのMIDIコントローラー

MIDIコントローラーは前述した通り、Lightroomを操作するための機材ですが、一般的に音楽機材で使われているものを使います。色んなものがありますが、代表的なものを挙げてみたいと思います。

KORG nanoKONTROL

私も8年前から愛用している機材です。安価で見た目は小型なのですが、割り当てられるツマミとスライダーの数は豊富なのでオススメです。

nanoKONTROLは以下でご紹介するように、全部で3世代のモデルがあります。その中でも特にオススメなのが、この第1世代(2007年モデル)です。

第1世代をオススメする理由は3つあります。

  • 価格が安価で小さい
  • 第2世代に比べてスライダーとツマミが1つ多い
  • シーン切換機能の搭載により操作部位が4倍に

があります。特にシーン機能のお陰で、2世代モデルに比べると4倍の操作部位をLightroom操作に割り当てることができます。第2世代モデルのnanoKONTROL2では、シーン機能が廃止されてしまったので、これは重要なポイントです。

シーン機能がどういったものなのかは、イメージが湧きにくいと思いますので、詳しくは当記事後半の「シーン1基本補正とプロファイル」で使用例と供にご説明したいと思います。

nano KONTROL第1世代モデルの残念な所は、新品が出回っていないことです。つまり、入手される場合は中古という事になります。Amazonでも中古品が販売されている事がありますので、小まめにチェックされると良いかと思います^^

どうしても新品がご希望の場合は、下記のような第3世代のモデルのnanoKONTROL Studioや、EasyControl9をおすすめします。

第3世代のnanoKONTROL Studioではシーン機能が復活しました。

Worlde EasyControl9は価格も手頃で場所も取らず、nanoKontrol第1世代と似た機能を備えているようです。

私が考える、LightroomをMIDIコントロールするのに適した機材は、上記でご紹介したナノコントロール・シリーズです。またMIDI機材は以下でご紹介するように、様々なものが存在します。質感や操作性の好みに合わせて検討してみてください。

Behringer X-TOUCH MINI

海外でnanoKONTROLに次いで人気が高いのが、ベーリンガーのX-TOUCH MINIです。こちらもnanoKONTROLと同様に場所を取らずコンパクトで使い勝手が良さそうな印象です。youtubeではLightroomと伴に使われている動画を多く見ることができます。ただし価格は2倍くらい高いですね…。操作性はどうなんでしょう?

AKAI MidiMix

音楽制作では定評のあるAKAIのMIDIコンです。こちらはnanoKONTROLに比べて価格が高くて場所を取ってしまうのですが、ツマミが沢山備わっているので、LightroomでHSLパネルの色相、
彩度、明度をグリグリ弄りたい人には特にオススメしたい機材です。

すでに楽器をお持ちの方はMIDI→USBが使える

既にMIDI端子を備えた楽器をお持ちのは、MIDI→USBに変換できるケーブルを使うと、Lightroomを操作できます。これでピアノを引きながらLightoromを操作なんて事も可能になりますね!(操作感はどうなるか全く予想不可能なんですがw)

Android・iPad・iPhoneをMIDIコンにする

機材を買うのはどうも敷居が高い…という方は、touch OSCを使うと、手元にあるスマホやタブレットでもLightroomを遠隔操作する事ができます。

MIDI2LRの入手

続いて、MIDIコントローラーとLightroomの操作を中継してくれるソフトを見てみましょう。MIDI2LRは、MIDIコントローラー機材の操作と、Lightroomを操作を橋渡してくれるライトルーム・プラグインです。

MIDI2LR

下記のreleasesにあるDownloadsのリンクからアプリをダウンロードします。

個人のプログラマさん@rsjaffeが作成されたオープンソース(無料)のアプリですので、もし素晴らしいと感じましたら寄付もお願いします。

MIDI2LRのインストール

まずは、MIDI2LRをダウンロードします。ダウンロードは前述したReleasesというページにあるDownloadsのリンクからアプリをダウンロードします。

MIDI2LRのインストール ©

Mac OSXユーザーの方は、MIDI2LR-osx-installer.dmgを、Windowsユーザーの方はMIDI2LR-windows-installer.exeをダウンロードして、起動したウインドウの指示に従いながらインストールします。

インストールが完了したら、Lightroomを再起動します。次回からLightroom起動時に新たにウインドウ「MIDI2LRウインドウ」が表示されますので、これでインストールが完了です。

MIDI2LRの使い方

それでは実際にnanoKONTROLをPCに繋いで、MIDI2LRで操作してみましょう。

操作の割り当て(アサイン)

まず最初に、Lightroomの操作とMIDIコンの操作を紐付けます。この作業を「割り当てる(アサインする)」と言います。詳しくは下記の動画をご覧ください。

上記の動画のように、まずはMIDIコントローラーのツマミやスライダーを一つずつ触ります。触れたのを検知したMIDI2LRウインドウに、以下のような2つの項目が現れます。

項目 説明
MIDI Command 触ったツマミやスライダーの番号が検出され、ここに追加される。機材の操作各部にはMIDI信号を識別するための番号が予め入っています
LR Command Lightroomで割り当てたい操作を、ここで選択します

アサインの例1:露光量をツマミでグリグリ

動画のようにツマミを一つグリグリすると、MIDI Commandに番号が追加されますので、LR CommandからExposure(露光量)を選びましょう。すると、次回からはツマミでLightroomの露光量をグリグリと操作することができるようになります。

LR-Commandの和訳

LR Commandの和訳が分からない場合には、以下のページが参考になります。PCのブラウザで閲覧されている場合にはCtrl+Fで検索することができます。

アサインの例2:露光量の調整をリセットする

Lightroomの露光量を初期化(プラスマイナス0)にしたい時には、MIDIコントローラーのボタンにResetExposure(露光量のリセット)を割り当てると、ワンボタンで露出が元に戻ります。

このように同じ要領を繰り返して、他のツマミ、スライダー、ボタンへ、Lightroomの操作を割り当てていきます。先ほどご紹介した動画では、露光量をnano KONTROLのツマミ1番に、シャドウの調整をツマミ2番にアサインして、最後にツマミ下部のボタンで露光量とシャドウのリセットを行う流れを動画で撮影してみました。

機材の操作部位をLightrooomのどのような操作を割り当てるかは、使う側が自由に決めることができます。これがMIDIコントローラーの楽しいところです。ライトルームで操作を操りたい内容をアサインしてみましょう。

アサインした設定は保存しよう

MIDI2LRは設定内容が稀に消えてしまう事があります。一通り設定が完了したら、設定を保存されることをオススメします。保存はMIDI2LRウインドウのsaveで保存する事ができます。万が一設定が消えてしまっても、次回からはloadで復元することができます。

実際に使っているアサイン例

私が実際にKORG nanoKONTROLで割り当ている設定例をご紹介したいと思います。LightroomのRAW現像・写真編集は現像する人によって調整するパラメータが違うと思うので、あくまで参考程度にご覧いただければ幸いです。

またはWorlde EasyControl9でも同様のアサインが可能なので、EasyControl9ユーザーも参考にしてください^^

EasyControl9は、メーカーから提供されているソフトウェア「Easy Control Editor」でMIDIのカスタマイズも可能です。

EasyControl9はEasy Control EditorでMIDI信号をカスタマイズ可能 ©

シーン1:基本補正とプロファイル

nanoKONTROL第1世代SCENE(シーン)ボタンが左下に備わっています。このボタンは各つまみ、各スライダー、各ボタンを4パターン切り替える事ができるようになっています。これはどういうことかというと、

  • SCENE1

    つまみ9個、スライダー9個、その他ボタン18個
    →(アサインの例)Lightroomの基本補正の調整を割り当てる

  • SCENE2

    つまみ9個、スライダー9個、その他ボタン18個
    →(アサインの例)Lightroomの色相調整の操作を割り当てる

  • SCENE3

    つまみ9個、スライダー9個、その他ボタン18個
    →(アサインの例)Lightroomの彩度調整の操作を割り当てる

  • SCENE4

    つまみ9個、スライダー9個、その他ボタン18個
    →(アサインの例)Lightroomの明度調整の操作を割り当てる

といった感じで、Lightroomの各操作に割り当てることがでるようになっています。つまり、見た目はツマミ操作できる箇所が9個なのですが、シーン機能によって9 x 4 = 36種類の操作を割り当てることができるわけです。

それではまず、SCENEを1に切り替えて、以下のようなLightroomの操作を割り当ててみます。

nanoKONTROLのSCENE1 アサイン例:基本補正とプロファイル ©

スマホでご覧になっている方は画像を拡大してご覧ください。先ほどもご紹介した動画のように、Lightroomの基本補正に関するツマミ操作と操作のリセット機能を設定してみました。

プロファイルは、Lightroomのキャリブレーションの項目にあるプロファイル(絵作り)の設定のことです。撮影したカメラによって用意されている項目が異なりますが、例えば

  • ニュートラル(忠実)
  • フラット
  • 風景
  • ポートレート
  • 美肌モード
  • スタンダード
  • クリアー
  • ライト

などといった、カメラに内蔵されている絵作りを再現した設定が用意されているかと思います。今回はこのプロファイルをMIDI2LRに割り当てておき、素早くワンボタンで切り替えられるようにしてみました。

シーン2:HSLパネルの操作

続いてSCENE2〜4では、HSLパネル(色相、彩度、明度)の操作を割り当ててみました。nanoKONTROLのSCENEボタンを押して、SCENE2や3、4に切り換えます。

  • SCENE2 → 色相調整(Hue)
  • SCENE3 → 彩度調整(Saturation)
  • SCENE4 → 明度調整(Lightness)

下記はSCENE2の色相調整のアサイン例です。

nanoKONTROLのSCENE2 アサイン例:HSLパネル操作 ©

SCENE2と同じようにボタンで各色の調整をリセットすることができます。

LightroomのプリセットをMIDIコンから一発呼び出し

MIDI2LRでは、LightroomのプリセットをMIDIコンで呼び出す事ができます。

  • オリジナルの現像設定

    (例)銀残し、HDR、ハイキー、私でしたらフィルムライク現像プリセット

  • ゼロ設定またはリセット設定

    (例)基本補正のリセット、コントラストの補正、レンズ補正、処理バージョンやキャリブレーションのリセットプリセットなど

など、頻繁に使うプリセットをMIDIコントローラーから素早く呼び出してみましょう。

MIDI2LRではLrプリセットもアサインする事が可能 ©

上記の画像は実際にLightroomのプリセットをアサインする例です。

MIDI2LRではオプションで予め登録しておいたプリセット(Develop Preset 1〜40)から選ぶ事ができます。

Develop PresetはLightroom→ファイル→プラグインエクストラ→MIDI2LR→オプションから設定ウインドウを呼び出し、ウインドウで任意のプリセットを登録していきます。

MIDI2LRのオプション設定 ©

以下がプリセットの登録画面です。UIが分かりにくい作りになっていますが、左のプリセット一覧から使いたいプリセットを選択し、Develop Preset 1〜40に登録していきます。

MIDI2LRのオプション設定:プリセットの登録画面 ©

左のプリセット一覧の最初の4つは、Develop Preset 1〜4に対応しています。続いて、Develop Preset 5〜8の登録作業を行いたい場合は、左上の現像プリセットタブで切り替えます。

執筆時のMIDI2LRバージョンでは、オプション画面が大きいので、モニター画面が小さいと、閉じるためのボタンが画面外にある為、クリックできません。全て登録が完了したら画面右下のOKボタンか、Enterキーを押して設定画面を閉じましょう。

その他の詳細機能

MIDI2LRのオプションダイアログでは、前述したプリセット呼び出し機能の他に以下のような機能が設定できます。

  • プリセット・セクション
  • プロファイル
  • ライブラリー・フィルター
  • その他、ショートカット登録

詳しくはプラグインオプションダイアログについての説明をご覧ください。

github | rsjaffe/MIDI2LR/wiki
Plugin Options Dialog

特にOther settings(その他)の設定項目にあるTemperature Limits(色温度)は、自身がよく使う色温度の範囲に設定しておくと、操作範囲が細かくなるので使い勝手が向上すると思います。

MIDI2LR使用時に不具合が起きたら

使用時にフリーズ(動作が停止)してしまったり、その他の不具合が発生した場合には下記のサイトをチェックしてみましょう。

rsjaffe/MIDI2LR - github
Q&Aや把握されている問題
現在報告されている問題(issues)

MIDI2LRは、頻繁に修正とアップグレードがされていますので、小まめに更新する事をおすすめします。

rsjaffe/MIDI2LR - github
リリース情報(アップデート情報)

MIDIコントロール界隈の動向

LightroomをMIDIコンで操作しよう!という動きはLightroom2の時代からあったようです。ところが最近になってオープンソースのMIDI2LRの登場や、専用コントローラーが数多く登場しています。

ここまではMIDI2LRのご紹介でしたが、最後にLightroomのMIDIコントロールの動向を少し見ていきましょう。

Loupedeck

Lightroomを操作するために専用設計されたMIDIコントローラーです。HSLパネル用のスライダーは各色で光るオシャレなデザインになっています。最近Twitterで話題になった注目の端末です。しかし2.6万円というのはちょっとハードルが高いですね…。

Loupedeck
https://www.indiegogo.com/projects/loupedeck-photography–4#/
A brilliant new console device for Adobe Lightroom™. Release your true artist.

Palette for Lightroom

こちらも昨年話題になった専用設計されたMIDIコントローラーです。小さなパレットをマグネットで好きなようにくっつけて自分好みの調整パネルを作ることができます。こちらも凄くオシャレなデザインですよね。Paletteが話題になった当初はMIDI2LRを見つける直前のことでしたので、思わず買いそうになりました(笑)

Palette gear for Lightroom
https://palettegear.com/lightroom
Personalized Controller For Faster Editing.

PaddyとKnobroom

最も古くから開発されてきたLightroomをMIDIコントロールできるソフトです。Paddy for LightroomはWindows向けのアプリで、KnobroomはMac OSXに対応しています。

Paddy for Lightroom (Windows)
https://sites.google.com/site/dorfl68/

Knobroom (Mac)
http://www.knobroom.com/

iPadのTouch OSCで遠隔操作したり、ベーリンガーのミキサーでコントロールしている動画を見ることができます。

最新の動向をキャッチアップできるMidi2Lightroom

LightroomのMIDIコントロールについて最新の動向をまとめたサイトが登場しました。ここ数年でLightroomのMIDIコントロールに関する話題が活発になってきたので、今後も情報をキャッチアップされたい方は以下のサイトをフォローしてみてはいかがでしょうか?

Midi 2 Lightroom
http://midi2lightroom.com/index.php/en/

最後に

MIDIコントローラーからライトルームをMIDI経由で遠隔操作することができるnanoKONTROLとMIDI2LRの使い方をご紹介しました。

細かいホワイトバランス調整や明るさの調整が、アナログ感覚でストレスなく行えますので、もし興味をお持ちになりましたら導入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、LightroomのMIDIコントロール導入と併せて、ショートカットキーも覚えておくと、作業スピードが早くなるかと思いますので、以下も宜しければご覧ください。

それでは、ストレスフリーなRAW現像ライフを!